人文論叢, Volumes 53-54동대학교, 1999 - Humanities |
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... あるという違いである。要するに、時枝の「詞辞」が言語過程説に準じて、話者の内面から決定されるもの、すなわち発話以前の人間の心的次元のものであるのに対して、渡辺の「素材表示・関係構成」は文(発話)における語の意味に託される役割によって決定 ...
... あるという違いである。要するに、時枝の「詞辞」が言語過程説に準じて、話者の内面から決定されるもの、すなわち発話以前の人間の心的次元のものであるのに対して、渡辺の「素材表示・関係構成」は文(発話)における語の意味に託される役割によって決定 ...
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... 〈ある日〉、〈きれいな水〉には連体修飾的陳述を、くすでに終つてゐた〉には連用修飾的陳述を認めている」ことからは、時枝の陳述、すなわち肯定判断ないし判断作用は「関係作用」のことである、ということがわかるからである。このことで、時枝の陳述は ...
... 〈ある日〉、〈きれいな水〉には連体修飾的陳述を、くすでに終つてゐた〉には連用修飾的陳述を認めている」ことからは、時枝の陳述、すなわち肯定判断ないし判断作用は「関係作用」のことである、ということがわかるからである。このことで、時枝の陳述は ...
Page 44
... ある。この故に、渡辺の叙述の職能の中で特に「統叙の職能」は、山田の陳述作用の一種である「用言が先行素材に対する関係作用」が継承されたのではないかと思われる。山田、時枝以外にも渡辺の「叙述の職能」の成立に影響を及ぼしたと思われる説に三尾砂 ...
... ある。この故に、渡辺の叙述の職能の中で特に「統叙の職能」は、山田の陳述作用の一種である「用言が先行素材に対する関係作用」が継承されたのではないかと思われる。山田、時枝以外にも渡辺の「叙述の職能」の成立に影響を及ぼしたと思われる説に三尾砂 ...